友の死

 一昨年、今年と立て続けに親友を亡くしました。一人は自分と同じ年齢でした。

二人とも美術を通じて知り合いました。

 友の死は親を亡くした時とは別のショックがあります。急速に自分にも死が近づいた感じを覚えました。

 それまで霧の向こうで全く見えなかった死の姿が、徐々に現れて来るようです。

 人生とは結局有限の時間なのだ。それを強く意識せざるを得ない昨今です。

 私に出来る事は、二人が強く望んでいた制作の時間を無駄にしないで、良い作品を作って行くしかないのです。それが少しでも生の時間を長らえた者の努めです。

 

            「泳ぐ月」

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